「香港 中国と向き合う自由都市」-倉田 徹 (著), 張 彧暋(チョウ イクマン) (著)
香港とは何なのだろうか・・・。
「香港って何なの?中国?前はイギリスだったよね?」
「香港人って中国人?」
「香港って中国語だよね?英語は通じる?」
どれも香港という場所について深く知らない多くの人にとっては、
当たり前の疑問だと思うけれども、それを答える側にとっては非常に難しい質問である。
香港は中国、と言われればそうだし、じゃあ中国だ!と正面から言われるとそれは違う。
いや、でも今は返還されたから中国人でしょう。
彼らのルーツは中国なわけだし・・・、と言われるとそれも正しいけど、
中国人という区切りは香港に住む多くの人にとっては拒否反応を示している。
ならイギリスの植民地だったから英語は通じるでしょ!と言われるとそれも正解だし、
じゃあ街中の人に英語で話して通じるかと言われればそうでもない。(日本よりは確実に通じるが)
けど、政府の公式文書を始め、英語が公用語として通じており、
大学や政府機関に入るには未だに広東語能力よりも英語がモノを言う世界・・・。
つまり、
「香港とはどういう場所なのか・・・?香港とは何なのか・・・。」
香港は香港である。
いや、昔はイギリスだったし、今は中国かもしれない。
けれど、人々の気持ちにはどこにも属さない特別な地域、それが香港である。
香港に住む多くの人々はそう思っている。
では、なぜそう思うようになったのか。
そうした香港というアイデンティティに深く切り込んだのが本書である。
香港のことをより深く知りたい・・・。
そんな深い香港について知りたい人にとっては、
「転がる香港に苔は生えない」と併せ、
香港をより深く知るためには絶対に必要であり、
絶対におススメの一冊です。
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